「Shopifyでネットショップを作りたい」と調べると、30万円という金額を見かけます。ただ、数社から見積もりをもらっても、その30万円に何が入っているのかまでは書かれていないことがあります。この記事では、見積もりを作る側から、30万円の線引きがどこにあるのかを書きます。
先に結論:30万円は「ひな形を活かして、売り始められる状態にする」ための金額
30万円の内訳は、大きく分けて「販売に必要な設定」「ひな形を活かしたデザイン」「トップページの構成と文章」「点数を区切った商品登録」の4つです。
逆に、ここから金額が上がるのは「ページを足す」「商品を増やす」「文章を任せる」「デザインを作り込む」の4つです。見積もりを比べるときは、この4つがどう扱われているかを見ると、金額の差がどこから来ているのかが見えてきます。

30万円の見積もりに、入っていることが多いもの
ここから先は、私が見積もりを作るときの線引きです。会社によって違いはありますが、見方の参考にしてください。
販売を始めるまでに必要な設定
決済、送料、配送、税、注文が入ったときに自動で送られるメールなどの通知の設定。この辺りは、設定しなければ商品を売れる状態になりません。作る側から見ると省きようのない工程なので、金額の大小にかかわらず入っているはずのものです。
Shopifyのひな形を活かしたデザイン
Shopifyには、あらかじめ用意されたひな形(テーマ)があります。その中で色や書体、写真を差し替え、セクションを並べ替えて作る方法です。ゼロから設計するより速く、費用を抑えられます。
| ひな形でできること | ひな形ではできないこと(オリジナルが必要) |
|---|---|
| 色・文字の書体・写真の差し替え | ひな形にない独自のレイアウト |
| セクションの追加・並べ替え・非表示 | アニメーションデザインの追加 |
| スマホでの見やすい表示 | 細かい位置や余白の調整 |
| カート・決済・会員登録などの基本機能 |
この表の右側が必要かどうかが、30〜50万円と60〜100万円の分かれ目になります。
トップページの構成と文章
私の場合は、ヒアリングと市場の調査、それをもとにしたトップページの構成と文章づくりまでを基本に入れています。何をどの順番で伝えるかが、売れるかどうかを左右するためです。
商品登録(点数に上限が付くことが多い)
私の基本は10点までです。商品が増えるほど、一覧の分け方や絞り込み、どう見て回ってもらうかの設計が変わり、構成を考える手間が増えるからです。見積もりを見るときは、何点までか、超えた分はどうなるかを確かめておくと安心です。
見積もりに入っていないことが多い3つ
打ち合わせで「これも入っていると思っていた」と言われるのは、だいたい次の3つです。
① 下層ページ(店舗紹介・Aboutなど)
トップページと、販売に必要なページ(商品一覧・商品ページ・カート)以外は、私の場合は別料金でお見積もりしています。ページが増えれば、その分だけ構成と文章を考える時間が増えるためです。
② 商品ページの文章
商品数で作業量が大きく変わるので、一律の金額に入れにくい部分です。自社で書くのか、任せるのかで見積もりは変わります。自社で書く場合も、誰がいつまでに書くかを先に決めておかないと、サイトはできているのに公開できない、という止まり方をします。
③ 商品の写真(制作の範囲に入っていません)
私は撮影をお受けしていないため、商品の写真はご用意いただいています。追加でお受けするものではない、という線引きです。ご自分で撮るのか、撮影を別で手配するのかを早めに決めておくと、制作が止まりません。
この3つは、見積もりに書かれていないこともあります。書いていなければ、こちらから聞いてしまうのが早いです。
見積もりを動かす3つ
なぜ30万円の会社と100万円の会社があるのか。動いているのは、だいたいこの3つです。
① ページ数と商品数
ページは、増えた分だけ作業が増えます。商品は少し違って、点数が増えると構成そのものが変わります。10点なら一覧に並べれば選べますが、たとえば100点になるとカテゴリの分け方や絞り込みを考える必要が出てきます。単純な掛け算にならないのは、このためです。
② 売るための設計にかける工数
市場の調査と、それをもとにした構成・文章の設計です。ここは作業が目に見えにくいので、見積もりによって入っていたり、入っていなかったりします。同じ「トップページ制作」でも、ひな形に文章を流し込むのと、何をどう伝えるかから考えるのとでは中身が違います。どこまで含まれるかは、必ず確認してください。
③ デザインの作り込み
ひな形の中で作るか、デザイナーを入れて世界観から作るか。後者は金額が上がります。食い違いが起きやすいのもここで、「いい感じにデザインしてくれると思っていた」と言われることがあります。ひな形を活かす前提の見積もりと、作り込みへの期待とのズレです。デザインが武器になるのは、世界観が大事な商材や、商品数の少ないストアです。
この3つの積み上がり方で、30〜50万円、60〜100万円、100万円〜と分かれていきます。私の場合の内訳は制作費用に載せています。

制作費のほかにかかるお金
制作費を払えば終わり、ではありません。公開した後に続けてかかるものがあります。
必ずかかるもの
- Shopifyの利用料:ベーシックプランで月額3,650円(年払い)/月額4,850円(月払い)。2026年9月時点の公式サイトの表示額です
- ドメイン代
使い方によってかかるもの
- 有料アプリの利用料(使う場合)
- 広告費(集客に使う場合)
ひな形は、無料のテーマを使うのが基本です。有料のテーマを選ぶ場合、その費用はお客様のご負担になります。
制作費だけで予算を組むと、公開してから動けなくなります。自社ECは、公開しただけでは人が来ません。
見積もりを比べるときに、聞いておきたい5つのこと
- 商品登録は何点までか。超えた分はどうなるか
- 文章は誰が書くか。トップページだけか、商品ページも含むか
- 作るページはどこまでか。下層ページは何ページまでか
- ひな形を使うのか、オリジナルでデザインするのか。ひな形ならどこまで変えられるか
- 公開後に直したいところが出たら、誰が直すのか
この5つの答えがそろうと、金額の差が何の差なのかが見えます。安いほうが損だという話ではなく、中身が違うという話です。
30万円で作れても、売れるとは限らない
制作費を抑えること自体は、悪いことではありません。困るのは、予算のすべてを制作費に使い切ってしまうことです。公開した後は、直したいところが必ず出てきます。そのときに動ける余力と、人を集める費用は残しておいてください。
制作だけを外注し、運用は社内の即席のチームでまかなう、という組み方もあります。内製が悪いわけではありません。ただ、どこへ向かうかを決める人がいないまま走ると、売上が立たないまま時間が過ぎていきます。
私の場合(Octo Techの料金の考え方)
私は制作を30万円から受けています。市場の調査と、それをもとにしたトップページの構成・文章づくりまでを基本に入れているためです。含まれるものの一覧は制作費用にあります。ひな形を活かして作ったサイトも、実績一覧に載せています。
ご契約までは費用がかかりません。対応範囲をすり合わせ、確定のお見積もりをお出ししてから契約します(制作の流れ)。期間の目安は、ひな形を活かす場合で1〜3か月、オリジナルでデザインする場合で3〜4か月です。制作費の金額はすべて税抜です。
ご相談
見積もりを見比べている段階でも構いません。予算も要件も決まっていないうちからのご相談を受けています。ご相談とお見積もりは無料です。通常2営業日以内にご返信します。